塗装のプロが教える、外壁塗装費用のお見積りの見るべきポイント5選
「一般住宅の外壁塗装に関する費用はいくらかかるの?」と、気になりますよね。本記事では、外壁塗装にかかる費用と業者から頂いた見積もりの中で、見るべきポイントを5つ解説します。
その前に、外壁塗装の相場と、費用の削減方法を知っておきましょう。
外壁塗装にかかる費用の相場は30坪の建物で約80万円~130万円
これは商業ビルやテナント付き物件ではなく、一般住宅の相場となります。しかしながら、なぜこのように値段に含みがあるかというと、以下の3点によって塗装の原料や必要な時間が大きく変わるためです。
- 家の窓の大きさなどによって、塗装面積が変わるため
- 塗料の種類によってかかる金額が変わるため
- 付帯部分(雨樋や軒天など)の大きさが各お家で違うため
塗装面積が狭く、塗料も安価なものであれば相場の中でも比較的安く、外壁塗装の費用を抑えることができます。しかしながら、塗装面積が広く、塗料も高価なものを使用すると外壁塗装にかかる費用は高くなってしまいます。
塗装面積を減らして費用を削減するためには?
塗装面積によってかかる費用が左右される外壁塗装ですが、実際の塗装箇所はどこなのか確認し、塗装面積を減らせるか検討していきましょう。外壁の塗装をする際には主に以下の箇所を行います。
- 外壁(※窓や換気口などは含みません)
- 軒天
- 雨樋
- 雨戸、戸袋、シャッターボックス
- 破風、鼻隠し
- 水切り
- シーリング
先述した通り、塗装の場所や面積、塗料の耐久年数、防水への対応によって費用が大きく変わります。また、単価が”1メートルあたり〇円”となるので、シーリング(※1)が多く使用されているお家では費用が上がりやすくなっています。
※シーリング・・・サイディングボードの継ぎ目の隙間に目地材を充填すること
塗料の種類に関する注意点
塗料は大きく以下の種類に分けられます。
- ウレタン塗料(期待耐久年数:6年)
- シリコン塗料(期待耐久年数:10年)
- フッ素塗料(期待耐久年数:15年)
- 無機塗料(期待耐久年数:20年)
実は塗料は「耐久年数」以外に大きな差はあまりないと言われています。ですが、弊社の経験則として、シリコン < フッ素 < 無機 の順番で見た目の艶が強くなっていく傾向を感じており、艶があることで汚れがつきにくく、塗料の性能を高く発揮することができます。汚れを気にされるお客様には、無機塗料をお勧めしております。
また、塗料の費用はウレタン塗料とシリコン塗料がほぼ同じ価格のため、どちらかで迷われている場合は、期待耐久年数が長いシリコン塗料をお勧めする事が多いです。
お見積もりの見るべきポイント5選
外壁塗装業者を選定し、お見積もり依頼を出し、実際にお見積書を受け取りましたら、お客様側で見て頂くポイントが5つあります。
- 費用がかかる項目や塗装する箇所が具体的に書いてあるか
- 塗り回数が記載されているか
- 面積が一式ではなく、数値で記載されているか
- 各項目ごとに使用塗料が記載されているのか
- 保証期間があるか
ポイント1.費用がかかる項目や塗装する箇所が具体的に書いてあるか
費用がかかる項目は何か?塗装される箇所はどこなのか?の確認は必須です。「施工してもらったのに、塗って欲しかった場所に塗られていない!」「思った以上に費用がかかってしまった!」といったことを避けるため、事前に細かく費用の内訳や塗装箇所を確認しておきましょう。
例えば、画像のように、「下塗り」「中塗り」「上塗り」「軒天」「雨樋」などと言った形で塗装箇所ごとに項目が分けられていると、塗装会社とお客様の間での認識の齟齬を減らすことにつながります。
例.外壁塗装内訳確認シート
例.付帯工事内訳確認シート
ポイント2.塗り回数が記載されているか
外壁塗装は、下塗り、中塗りそして上塗りの3度塗り以上、塗り重ねるのが基本です。3度塗りをしない場合は、塗料が上手く付着せず剥がれ落ちやすくなってしまいます。結果的に耐久性が落ちてしまい、外壁塗装をした本来の目的を十分達成することができません。最悪の場合、壁の耐用年数が大幅に短くなってしまう恐れもあります。
塗り重ねる回数は事前に必ず確認しておきましょう。
ポイント3.面積が一式ではなく、数値で記載されているか
「上塗り 一式 〇〇円」ではなく、「上塗り 〇〇㎡ 単価〇〇円 計〇〇円」というような形で、面積が詳細に記載されているのかを確認しましょう。こちらも面積あたりの費用の確認をしておくことで、「不当に塗装料金を吊り上げられてしまった!」といった事態を避けることにつながります。
ポイント4.各項目ごとに使用塗料が記載されているのか
使用する塗料が、「上塗り シリコン」「上塗り フッ素」ではなく、「上塗り シリコン 〇〇製」「上塗り フッ素 〇〇製」のように、各項目毎に使用する塗料が記載されている見積書の方が、適正価格かどうかを判別しやすいため、必ず使用塗料が記載されているか確認しましょう。
他社との相見積もりを取った時にも、使用塗料が記載されていることで費用の比較がしやすくなります。
ポイント5.保証期間があるか
外壁塗装を施工した後、見た目は施工前と施工後で大きく変わると思います。数年のうちに塗装の剥がれや膨らみが発生した場合、保証の有無により、無償で修繕するのか有償で修繕するかが変わります。
保証がない場合は、追加費用を払って修繕する必要が出てきますので、耐久年数や塗り重ね回数などを加味して保証が必要か検討しましょう。
自宅の外壁の状態はどうなのか?代表的な症状を紹介
外壁塗装を検討するタイミングとしては、以下のような症状があらわれた時です。
- チョーキング現象
- カビやコケ
- ひび割れ
チョーキング現象
外壁を触ると手に粉が付いてきます。これは塗膜が劣化している状態のため、耐久性や防水性などの本来の性能から低下しています。放置しているとどんどん劣化が進んでいきますので、早めの対応が必要となります。
例.チョーキング現象
カビやコケ
カビやコケが付着している状態は、耐久性や耐水性が落ちている状態です。カビやコケは水分が多い場所を好んで繁殖していきます。一度根を張ると水洗いだけでは取れないので、高圧洗浄を行ったり、より強力なバイオ洗浄を行ったりしていきます。塗料に防カビ・防藻効果が含まれているものもあるので、最適な塗料を業者に相談することをおすすめします。
例.カビやコケ
ひび割れ
外壁材のひび割れや塗膜の割れなどの隙間から雨水が入り込むことで、錆やカビ、腐食の原因に繋がります。これらにより建物の強度も低下してくるので、適切な補修をする必要性が出てきます。
例.ひび割れ
当てはまる症状がある場合は、外壁の塗装を検討しましょう
先述した「チョーキング現象」などの症状が起きている方は早めに外壁の状態を診断してもらい、適切なアドバイスを受けてメンテナンスをする必要があります。現在、特に劣化が見受けられない場合も、風邪などと一緒で早めの対応をすることによって思わぬ出費が出てくるよりも安く済むといったケースも出てきます。「少し色が落ちてきたな」「劣化してきた気がするな」と感じた場合は、早めにお近くの外壁塗装業者にご相談ください。